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2022年11月21日月曜日

2.穢れ

event_note11月 21, 2022 forumNo comments

 


〜あらすじ〜
やたら元気な男子生徒、ひすいと友達になった主人公ジョセフ。
高校生活には慣れてきたが、周囲と自分の恋愛観にギャップを感じて苦しんでいた。



「─ところでジョセフ、今君は一部の女子から"王子"って呼ばれてるの知ってる?」

「!?何それ。僕が?どうして?」



「分からない?転びそうな子をサッと助けたのが格好良かったんだよ。ニクいよほんと。」



「あんな些細なことで……大体女の子が困っていたら助けるものじゃないの?」

ひすい「うわ〜、モテ男の考えだな〜!」

「いやいや、僕はモテたくなんてないんだよ!」



「……あー、ちょっと分かるよ。」



「ひすいもそうなの?」

「うん。仲間だね〜。」



「……本当に?例えば彼女が欲しいとか、可愛い子とウフフしたいとか、そういう感情って大概あるものじゃないの?」

「うわうるさ笑」



「だって、他の人たちはみんな……」

「ていうかお前は!どうしてただ見てるだけなのに一番いいボールをキープしてるんだよ。寄越しな!」



「取っていいよ。取れるもんなら。」

「めんどくせーなもう!エイッエイッ」



「─君達、ちょっといいか。」



「あ、ハイ。」

「君達のクラスの学級委員って学校にいるか?」



「委員会の連絡網を作りたいから、教えてほしいんだが……。」



「えっと……さっきまで教室いたし、まだ帰ってないんじゃないかな。」

「そうか、ありがとう!」



ひすい「今のシム……。」

ジョセフ「ヨウスケ・ミラーだよ。地元が一緒……話した事ないけど。」



「ところで、さっきの話だけど……」

「……。」



「……ひすい、1on1やる?」

「やるます……。」


*****


数日後。
僕は自身の当てが外れることを期待しながら、今までと変わらない日々を送っていた。

「久しぶりに飲むファンタうま。」

「分ーかち合って。」

「遠慮のない頼み方をするな。」



「やあ。」

「!わ、ヨウスケじゃん。急に出てくんなよ!」



「(……。)」

「欲しいなら自分も買えばいいじゃないか。」

「分かってないなー人から奪って飲む方が美味s」



恐らく、僕の勘は当たっている。
ひすいも結局、他の人達と変わらない。恋愛がしたい人側なんだ。



「"仲間"だって、言ってくれたのに……。」



「〜〜〜もう!どうしてみんな、そんなことばかりに夢中になれるんだよ!!」



「気持ち悪い……。」


*****

翌日。

「こんにちは、ジョセフ!」

「?」



「あの……渡したいものがあるの。」



「ぶ、部活でカップケーキ焼いたんだ……良かったら……。」



「あの、これ、みんなに配ってて……だから、ついでにいるかな?って……。」



「……いらない。」

「え。」

「ごめん。また明日ね。」



「あ、うん!また明日─」



「……行っちゃった。」



「頑張ったんだけど、な。」


今回もお付き合いくださり、ありがとうございました。続きます!



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