〜あらすじ〜
やたら元気な男子生徒、ひすいと友達になった主人公ジョセフ。
高校生活には慣れてきたが、周囲と自分の恋愛観にギャップを感じて苦しんでいた。
「─ところでジョセフ、今君は一部の女子から"王子"って呼ばれてるの知ってる?」
「!?何それ。僕が?どうして?」
「分からない?転びそうな子をサッと助けたのが格好良かったんだよ。ニクいよほんと。」
「あんな些細なことで……大体女の子が困っていたら助けるものじゃないの?」
ひすい「うわ〜、モテ男の考えだな〜!」
「いやいや、僕はモテたくなんてないんだよ!」
「……あー、ちょっと分かるよ。」
「ひすいもそうなの?」
「うん。仲間だね〜。」
「……本当に?例えば彼女が欲しいとか、可愛い子とウフフしたいとか、そういう感情って大概あるものじゃないの?」
「うわうるさ笑」
「だって、他の人たちはみんな……」
「ていうかお前は!どうしてただ見てるだけなのに一番いいボールをキープしてるんだよ。寄越しな!」
「取っていいよ。取れるもんなら。」
「めんどくせーなもう!エイッエイッ」
「─君達、ちょっといいか。」
「あ、ハイ。」
「君達のクラスの学級委員って学校にいるか?」
「委員会の連絡網を作りたいから、教えてほしいんだが……。」
「えっと……さっきまで教室いたし、まだ帰ってないんじゃないかな。」
「そうか、ありがとう!」
ひすい「今のシム……。」
ジョセフ「ヨウスケ・ミラーだよ。地元が一緒……話した事ないけど。」
「ところで、さっきの話だけど……」
「……。」
「……ひすい、1on1やる?」
「やるます……。」
*****
数日後。
僕は自身の当てが外れることを期待しながら、今までと変わらない日々を送っていた。
「久しぶりに飲むファンタうま。」
「分ーかち合って。」
「遠慮のない頼み方をするな。」
「やあ。」
「!わ、ヨウスケじゃん。急に出てくんなよ!」
「(……。)」
「欲しいなら自分も買えばいいじゃないか。」
「分かってないなー人から奪って飲む方が美味s」
恐らく、僕の勘は当たっている。
ひすいも結局、他の人達と変わらない。恋愛がしたい人側なんだ。
「"仲間"だって、言ってくれたのに……。」
「〜〜〜もう!どうしてみんな、そんなことばかりに夢中になれるんだよ!!」
「気持ち悪い……。」
*****
翌日。
「こんにちは、ジョセフ!」
「?」
「あの……渡したいものがあるの。」
「ぶ、部活でカップケーキ焼いたんだ……良かったら……。」
「あの、これ、みんなに配ってて……だから、ついでにいるかな?って……。」
「……いらない。」
「え。」
「ごめん。また明日ね。」
「あ、うん!また明日─」
「……行っちゃった。」
「頑張ったんだけど、な。」
今回もお付き合いくださり、ありがとうございました。続きます!
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