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2022年11月27日日曜日

3.軽蔑

event_note11月 27, 2022 forumNo comments

 

〜前回のあらすじ〜
他人の恋心に不快感を感じてしまう主人公ジョセフ。
仲間だと思っていた友人ひすいは、同性のスクールメイトに惹かれていたことを悟る。



「ジョセっちゃん。今日遊ばない……?」

「ごめん無理。」



結局、狂っているのは僕1人だった。勝手に期待した自分も悪いけれど、まるで裏切られたかのように気分が沈む。



だから僕はまた、自分を暴かれないためにも壁を作った。ひすいともしばらく距離を置けば、あちらから近づいてくることも、もうなくなるだろう。



「ジョセ〜〜……あっ大将。赤点者の補習もう終わったの?」

「うるせー。赤点者言うな。」



幸い、ひすいの周りにはいつも誰かがいた。友達もたかが1人減ったところで、彼が傷付くことはない。



それにしても疲れた……。
元々人といるのは得意じゃないのに、どうしてこんなに悩まされる羽目になったんだろう。もっと早く、こうしておけば良かったのに……。



もっと早く……。

「いや〜足速いっすね〜。お前競歩やったほうがいいよ、競歩!」




「あのー冗談はさておき……追いかけ回して悪かったよ。俺、ジョセフに謝りたいと思ってたんだ。」



「その……何で怒らせちゃったか分からないけど、ごめん。分からなくてごめん。」

「……。」

「でもさ、これからジョセフのこともっと、理解したいと思うから……」



「『理解したい?』」

「え?」

「やめてよ、それが一番迷惑なんだ……!」



「僕は君に理解して欲しいなんて頼んでないし、近づいてきてほしくない!もうこれ以上、君を気持ち悪いと思いたくない!」



「ジョセフ、それどういう─」

「言葉の通りだよ!君、ヨウスケ・ミラーのこと好きだろ?おかしいと思わないの?」



「僕には君の気持ちも理解できない!だからそんな君に理解されたくもないんだよ!」



「─ねぇ、あれヤバくない?」

「ケンカ?正門の中庭で?」



「ちょっと、王子どうしたの。珍しく荒ぶってる。」

「ヨウスケって……隣のクラスの?そんな関係だったの?」

「ジョセフ……。」



「やだ怖ーい。」

「……。」



「……確かに、ジョセフからしたら訳わかんないよね。」



「俺自身も正直、訳わかんないもん。」



「理解したいとか軽率に言ってごめん。じゃね。」


******



言いすぎた。
おかしい。ひすいのことも自分のことも、傷つけないために距離を置こうと思っていたのに……。



「ただいま。」

「おっ!おかえり息子よ。父さんの新しい彼女を紹介しよう。」




「!?この間の人は……。」

「あーあー!彼女には秘密にしてるんだから!」



「ねぇ、子供はいないって言ってたじゃない。」

「そうだったかな?まぁ俺に似てイケメンだろ?」



「お父さんは、お母さんのことを、もう忘れちゃったの?」

「?」



「きっと僕が忘れてしまったら、お母さんの事は誰も思い出さないんだろうね。」



どうしてお父さんは、あんなに綺麗だったお母さんとの思い出を、肉欲で塗り替えようとするんだろう……。



今回もお付き合いくださり、ありがとうございました。続きます!




ようやく続きが書けました。

すぐ脱線するから……。

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