(注意!:暴力・流血表現が大いにあります!)(あと長いです。)
~前回のあらすじ~
東堂の部下にしてもくれんの元恋人、ふゆに案内され、東堂と話をしにやってきたもくれん。
しかしそこには、倒れる東堂とその部下、死んだはずの養父の実娘シェリーが立っていた。
「もくれん、大きくなったね。火事の時はあんなに泣いていた子がとても立派になって.......。」
「あなたは死んだはずだ......。」
「うーん........ねぇ、お話の前に周りのチンピラさん達を追い出すのを手伝ってくれない?代わりにナイフを渡すから。」
*****
シェリー「私、あなたに謝りたいと思っていたの。」
「あなたのお母様をお父様はモノのように扱った。あの方が早くに亡くなられたのは、私たちのせいよ。私を身篭ってからも、薬品を注がれて、暴力をふるわれて......。」
「異父姉として、謝りたいと思っていた。」
「あなたたちの不幸はすべて父が仕組んだことなのよ。ごめんなさい。」
「異父姉?俺たちの不幸は全て"あの人"のせい.......?」
「それも嘘だ。だって"あの人"はあんなに心優しいんだ。そんなこと、間違ってもできるはずがない......。」
「......."あの人"は俺の父だ。悪く言うのはやめてほしい。」
「あなたの父ではないわ。だって、あの人はあなたたちを実際に養子にしていない。親権も宙ぶらりんだったの。"ファミリーホーム"と偽って、ずっと騙していた。」
「じゃあ金もない、力もない孤児を迎え入れるなんて何のメリットがあってやるんだよ.......!」
「ひがしさん、落ち着いて。」
「あの人は.......あの人は.......!」
「それが答えじゃない。お父様のことを"お父さん"とも、"エディさん"とも呼ばない。ずっとそうだった。あなただけは微かにこの違和感を感じ取っていた。」
「そんなつもりはない.......ただ少し.......」
「なあ.......あの人は、俺たちに、何を、望んで」
「近づいてはいけません、下がって!」
「父が欲したのは、あなたたちの、生まれつきの自然治癒力だけよ。」
「!!!」
「危ない!!!」
「っぐ.......。」
「ふゆ.......?」
「ふ.......。」
「全く、ちょっと見逃してやったら余計なことを.......。」
「ふゆ、ごめんな.......ふゆ.......。」
「っげほ、へ、平気.......ですよ.......。」
「ぁなたの........チャカ.......それ、ボスのですね.......?」
「殺した相手から.......奪うなんて........。」
何故俺達ばかり
全て奪われるのか。
母も姉もちとせも、どうして幸せになれないのか。
俺がやらなければ。
俺の幸せを守るために。
シェリーさん、彼女は多分本物だ。本当に生きていたんだ。
「(この油断しきった表情.......昔と変わらない。今もまだ少女なんだ。)」
「(また会えて嬉しいと、どうして言わせてもらえなかったんだろう。)」
「(お淑やかで、華奢で奇麗だったあの時のまま、一体どこにいたんだろう。)」
「(どうしてこんな事になったのだろう。)」
「俺と東堂を殺そうとしたのは、何の為ですか。」
「まぁ答えなくてもいいですけどね、もう。」
「.......あなたにだったら、殺されてもいいわ。」
「あっそ。遺言として覚えておきます。」
「っがしさん、だめです、乗せられては........。」
「あなたは、そんなもの........持たなくても.........幸せになれる.........!」
「なれなかったんだよ、ふゆ。」
「おれ、もう嫌なんだよ........。」
「以前のあたたかい思い出も、これから知るはずだった実父の事も、全部もう.......。」
「シェリーさん、あなたも死んでくれ。俺たちのために。」
暴力が好きな訳ではないんです........
避けられなかったんです........。
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