~前回までのあらすじ~
蘭子の墓前で出会ったもくれんと東堂 禅。
もくれんは彼とその父親について、養父と実姉を失った火災事故の主犯だと主張した。
対する東堂はもくれんを"弟"と呼び、時が来たら真実をすべて話すことを宣言した。
殺されなかった。東堂禅に。
あいつに会って、兄と呼んで、火事のことを話したら殺されると思っていたし、その覚悟でいた。それなのに、あいつは俺が来るのを待っていた。
俺たちはあいつにとって、邪魔な存在であるはずなのに。
.......俺、何か間違えているのかな.......。
『もくれん、ごめんなさいね。私はちょっとエディさんとお話をするから、あっちで遊んでいて......?』
もくれん「(そういえば、あの人はよく姉を連れてどこかに行っていたな。)」
「(姉も、あの人も黙っていたけど、"お話"の前、あの人の目......あれは......。)」
「姉さん......。」
*****
禅「何故、愛人程度の女性を見舞いに?」
「病院だぞ。口を慎め、禅。」
「......すみません、お父さん。」
「あれは、オプティミストの人間から譲り受けた。扱い方で今後の計画を左右する。」
禅「......本心ですか。」
「.......。」
「あなたはとても愚かだ。」
「何とでも言え。目下の狙いはオプティミストを叩きのめし、2度と上がってこられないように圧迫すること。それだけだ。」
「(全く、この人にそこまでさせるほど魅力がある人か.......。)」
******
「東堂さん、ありがとう。」
「私に、私のためだけの居場所を与えてくれて。」
「愛情を与えてくれて。」
「ふふ、幸せね、私達。」
オプティミスト家、名前の割にやる事が全然陽気でないです。
にほんブログ村