大火事で姉と養育者を亡くし、破天荒な女性に引き取られた時の事を振り返るもくれん。
本日誕生日の姉に顔を見せに来たが、彼女の墓前に誰かがいるのに気付く。
「(あれは.......まさか......。)」
「おい!」
「.......何か?」
「あんた、東堂禅だろ。東堂家家長の。」
「......やっぱり、そういう事だったんだな。」
「お前は……。」
「東 木蓮。その墓の中にいる奴の弟で─」
「多分、あんたの弟でもある。」
「はぁ.......。」
禅「……墓参りなら、花ぐらい用意したらどうだ。」
「うるせぇな......姉さんは生花が嫌いなんだよ。」
「そうか。悪いことをしたな。」
「全く、初めましてがこんな所とはな.......。」
「え?」
「場所を変えるぞ。」
*****
「─それで?お前の言う"そういう事"とはなんだ。」
「そりゃお宅がやってくれた事々についてだよ......分かってるはずなのに。」
「勿体付けるな。いいから話せ!」
「じゃあ言うけど.......オプティミスト家の火災事故は知ってるよね、新聞載ったし。俺、あの事故は人為的なものだと思うんだ。」
「屋敷は全焼、その上GTWもないワールドだから大した捜査もされなかったけど、あの屋敷防火扉があったんだ。それがあの事故では機能しなかった。」
「で、そういうのまとめて仕組んだのがあんたら。東堂の人間。シノギを守る為とか言って、人でも雇ってやったんだろ。」
「何故そう言い切れる。我々が諸悪の根源だとでも?」
「違う。根拠は藤田京子だ。」
「そんな人間は知らん。」
「なら、東堂京子と言えば伝わるか?あんたらが勘当したシム。前当主の元妻……あんたの、お母さんなんだろ?」
「なんで縁を切ったかは知らないけど、便利な存在だったんだろうな。」
「.......そうまでする理由は分かってるよ。俺の母親、前当主の愛人だったんだろ。」
もくれん「あと、"あの人"についてだけど.......。」
「口をはさむようだが、」
もくれん「?」
「お前のその、生白い肌は生まれつきか?」
「い゛.......っや、え、今話変えるつもり?」
「母親に似たのか。」
「聞いてる?」
「(ああ、お母さんの事.......やっぱり知っているんだな。)」
東堂「時間が惜しい。もう話は十分だ。」
「さて、お前の推理も熱量があって良かった。おおかた正解だ。だが肝心なところが違う。」
「は?」
「いずれ何もかも教えてやる。楽しみにしていろ、弟よ。」
「認めんなよ.......。」
関係が複雑になってまいりました。これは私にも効きます。
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