(⚠️シムが死にます。)
あらすじ
行方不明になった配偶者を探し続けて1年が経った日、ワイアットのもとに彼そっくりの老人が現れた。
「夫を助けたいか?」
「びっくりした……あんた誰だ。どこから入った。」
「勝手に入ったことは詫びる。私は名乗るほどのものじゃない。お前でない誰かだ。」
「それより伝えたいことがある。お前も薄々気付いているだろうが、お前の夫は死んだ。」
「しかし私の力を使えば、助けることもできる。どうだ、もう1度会いたくはないか。」
「……会いたいに決まってるだろ。」
「あんたのことも、その力なんか知らないけど、藁にもすがる思いだ。話を聞かせてくれ。」
「交渉成立だな。」
「な、何するんだよ。」
「いいか、お前には時空を移動する力を授ける。これを使って、配偶者の死亡直前のタイミングに飛び、そいつを助けるんだ。」
「ただし、力を使うためにお前は1度死ななければならない。それに、ただ死ぬだけだと別の平行世界に落ちる可能性が高い。」
「お前の死因が配偶者のそれと近ければ近いほど、正しい時空に近い地点へ落ちる。」
「当ててみろ、ワイアット。お前の配偶者は、どうやって死んだ?」
「……かずひろの車は、人気のない道のはずれで雪に埋まっていた。それが一番大きな手がかりなんだ。」
「俺はその場所で凍死する。」
「それが、答えだな。」
*****
「(こんな滅茶苦茶な話、信じたくもない。でも、あいつは俺と同じ目をしていた。)」
「(ごめんな、向こう見ずなことして……。)」
「(でも、何だか本当に会える気がするんだ……。)」
「薬が効いてきたな。」
「どうか、彼が正しい世界に辿り着けるように……。」
今回もお付き合いくださり、ありがとうございました。続きます。
ふざけたいのにふざけられない……!
10話くらいで終わらせるつもりですが、予想より膨れ上がるかもしれません。
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